#005 経理であればほぼ確実に経験する締め業務。FP&Aの場合は、経理よりのFP&Aと、事業部よりのFP&Aで関わりの度合いが違ってくる作業になります。
こんにちは、西崎俊です。
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今回の記事ではFP&Aの仕事番外編その2として、「クロージング(月締め)」業務について解説します。
そもそも締め業務とは何か?
そもそも、会社における月締め作業とは何でしょうか。
財務諸表を作成する際の手順は一般的に、
仕訳されたデータを総勘定元帳に記帳
↓
科目ごとに集計して残高表に格納
↓
貸借対照表と損益計算書としてレポートを作成
といった流れになります。
企業で使用しているシステムの種類にもよりますが、基本的にはERPでも同様の流れで処理が行われます。
大抵の場合は月ごとにこの締めの作業を行い、PL/BSを確定させてその月の業績を確認します。(1年に1回しか業績を確認しなかったら、いつの間にか目標から大きくずれているなんてことになりかねませんよね。)
確定させるということはつまり、締まった月については数値を動かさないようにシステム上制限をかける、ということです。
簡単に帳簿を遡及して操作できてしまったら、いくらでも粉飾決算できてしまいますから、企業の監査上大変重要なポイントです。
一方で、大抵の場合は取引が発生してからシステムに記帳されるまではタイムラグがあります。例えば
3月31日の24:00で3月の期間を締めてしまった場合、本来3月で登録すべき取引実績が、4月にずれ込んでしまうことがあります。これは財務諸表上、プラスにもマイナスにもなる可能性がありますが、ここでは何より「計上すべき期間に計上できていないこと」が問題となります。
これを防ぐために、本来計上すべき取引が全て期間中に計上され、また計上されるべきでないものは除かれているかを全てチェックし、取引が正しくPL/BSに反映されるようにするのが、締め業務の意義です。
しかし、月末までの取引をタイムリーに行うには、請求書の発行や受取処理、在庫の棚卸し、給与計算など、さまざまな処理を行う必要があり、多くの企業にとって月締めは大変労力のかかる作業なのが現実です。
FP&Aにおけるクロージングの目的
さて、FP&Aの仕事におけるクロージングとは何でしょうか。
FP&Aにおけるクロージング業務の意義は、大きく分けて2つあります。