こんにちは、西崎俊です。
「FP&A Camp」では、管理会計やFP&Aについて情報を発信しています。
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今回は、FP&Aの年収相場についてお話ししたいと思います。
以前も紹介したように、FP&Aはバックオフィスの中でも年収レンジが高い職種といえます。
💰FP&Aの年収相場

2024年現在、日本国内でのFP&Aの年収相は、求人サイトなどを見る限り、ざっくり以下のような年収相場になっています。
スタッフ 500万円 〜 800万円 シニアスタッフ 700万円 〜 1,100万円 マネージャー 1,000万円 〜 1,600万円 ディレクター 1,500万円 〜 2,500万円
これは私が転職サイトを確認したり、日々エージェントから送られてくる非公開求人の情報を総合したものです。
別のソースを。 大手転職エージェントのロバートハーフでは、ポジション別の年収相場を公開しています。
🔗 FP&Aマネージャー(大企業) の給与 | ロバート・ハーフ

一例として、FP&Aマネージャー(大企業) の給与を1,150万円 〜1,600万円と記載しています。 これは、私の感覚とも一致していますね。
ちなみに、同じロバートハーフのデータでFP&Aマネージャー(中小企業)は950万円 〜 1,200万円と提示されており、企業規模によっても200万円前後の差があることがわかります。
現在私は大企業のマネージャーで年収が1,150万円なので、このランク帯の中では一番下の方、ということになりますね。(笑)
まあ私はまだマネージャーになったばかりですし、納得の金額です。 私の会社ではグローバルで決められた給与レンジがあります。 マネージャーの中でも2段階あり、その中でもさらに数百万円の幅があるらしいです。 まだまだこれから伸び代はあると思っているので、がんばって昇進したいと思います。
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外資系と日系企業の年収比較(ポジション別)
記事タイトルの問い「外資系と日本企業で差はある?」に直接答えるため、外資系と日系の年収レンジを対比表として整理しておきます。マイケルページやロバートハーフの公開データと、私が日々確認している求人情報をベースにまとめたものです。
| ポジション | 日系企業 | 外資系企業 | 差額の目安 |
|---|---|---|---|
| スタッフ | 500万円 〜 800万円 | 800万円 〜 1,000万円 | +200〜300万円 |
| シニアスタッフ | 700万円 〜 1,000万円 | 900万円 〜 1,300万円 | +200〜300万円 |
| マネージャー | 950万円 〜 1,400万円 | 1,150万円 〜 1,600万円 | +200万円前後 |
| シニアマネージャー | 1,300万円 〜 1,800万円 | 1,500万円 〜 2,200万円 | +200〜400万円 |
| ディレクター | 1,500万円 〜 2,200万円 | 1,800万円 〜 2,500万円+ | +300万円前後 |
統計的な裏付けとして、あるnoteの分析記事(224件のFP&A求人分析)では、同レベルの求人を比較した際に日系企業と外資系企業で約270万円の年収差が確認されたとされています。この記事では、外資は解雇リスクが相対的に高い分、給与でプレミアムが乗るという分析もされており、私の実感とも一致します。
この数字はあくまで日本国内のものです。 アメリカではもう2倍〜3倍くらいの水準になってますね。 スタッフレベルでも$130k/yearとか普通になっきています。(そして為替変動恐しいですね。)
みなさんはGlassdoor登録していますか? 欧米版の転職口コミサイトです。 いろんな会社の年収や福利厚生などについて、生の情報を見ることができます。
本社の変化って、本国から徐々にブランチに広がっていくんですよね。 社長が変わって雰囲気が良くなったとか、どこの部署でリストラがあったとか... 外資系の会社の場合は日本の口コミにプラスして、本社の口コミもチェックしておくのがおすすめです。
いやーしかし、改めて思いますが、やはり経理や営業事務の仕事と比較してもかなり高い給与水準ですよね。
しかも、FP&Aは近年最も給与の上昇幅が大きい職種の一つでもあるそうです。
AIが進化し、単調作業の多い職種は淘汰される時代になっています。
今後もFP&Aが重要視されるトレンドはしばらく続きそうですね。

💎FP&Aの年収相場が高い理由

では、なぜFP&Aの年収相場は高いのでしょうか?
その1:そもそも外資系にしかなかった職種だから
FP&Aという職種はそもそも欧米の企業では普通ですが、日本にはあまりないポジションです。 そもそも外資系企業は日系企業よりも全体的な給与水準が高いのは、皆さんもご存知ですよね。 ですので必然的に、FP&Aの給与レベルも高くなります。
特に、FP&Aは多くの外資系企業で重要なポジションと考えられていますので、社内の他の職種に比べて給与テーブルが高く設定されていることが多いです。
その2:部下なしだけどマネージャークラス
FP&Aの求人でよくあるのが、
FP&Aマネージャー(スタンドアロン) FP&A ハンズオンマネージャー
というタイトルです。
FP&Aの場合、普通にハンズオンなのに、役職としてはマネージャーという職位を用意することが多くあります。 ハンズオンというのは、手を動かすポジションであり、普通にExcelやBIで資料作成や数値分析を行うことをイメージしてください。
スタンドアロンというのは、いわゆる部下なしのマネージャーですね。 ピラミッド型のヒエラルキー組織が当たり前の日本企業ではなかなか考えられないことかもしれませんが、部長や課長クラスだけど部下がいないというポジションになります。
なぜハンズオンなのにマネージャーの職位が用意されるのかというと、
1️⃣FP&Aの通常業務は高度な専門職だから 2️⃣FP&Aは部門別に横串で動くことが多く、部内でのヒエラルキーがフラットになりがちだから 3️⃣ファイナンスビジネスパートナーとして、職位が上の人と一緒に仕事をするから
といったことが理由になります。
特に、2番目の理由は経験者なら共感いただけるのではないでしょうか? ファイナンスとしてチームはあるんだけど、個人商店の集まりな感じ。
3番目もあるあるだと思います。 だからといって別にFP&Aのスタッフは年齢層が高いというわけではないんですよね。 私もそうだったのですが、なぜかFP&Aの世界では、26,7歳の若手が50代の役員や本部長クラスの人と会話したり、ビジネスパートナーとして一緒に仕事をするのが普通です。
若いうちからエグゼクティブクラスの人と会話する経験が積め、かつ給与もたくさんもらえるというのが、FP&Aの魅力です。
その3:マーケットに人材が少なく、希少価値が高いから
私も採用する側にまわってから特に思うのですが、日本のFP&A人材って本当に希少です。 そもそも前述のとおり外資系にしかない職種なので、FP&Aという職務の経験者がそもそもすごく少ないです。
ただ、FP&Aというタイトルではなくとも、似たような職務経験がある人ってそれなりにいるはずなんですよね。
経理で管理会計をやっていたり、営業事務で数値集計をやっていたり、そういった業務経験がある人は、FP&Aの採用対象になり得ます。 もちろん、未経験でもポテンシャルをみて採用されることは普通にあります。
実は、自分がFP&Aに適性があることを知らないだけで、応募していない、あるいは敬遠しているという人も多いのではないでしょうか?
上で述べているように、FP&Aは確かに比較的専門性が高く、会社でも重要視されるポジションではあります。 しかし、年収の割には、プレッシャーが強かったり、すごく高度なスキルが求めらるたりするかというと、そうではないというのが私の考えです。
それ以上に、「マーケットでの人材の少なさ」がこの職種のコスパを上げているように思います。 あまり難しく考えず、ぜひ一度、転職エージェントなどに相談してみてはいかがでしょうか?
私がこのサイトを始めた理由の一つでもあるのですが、ぜひもっと多くの人にFP&Aと言う職種の面白さ・重要さを知ってもらい、もっとFP&A職に応募する人が増えて欲しいと思っています。

🌏なぜ日本ではFP&Aが普及してこなかったのか

そもそも、なぜ日本ではFP&Aという職種が根付かず、外資系との年収差が生まれているのでしょうか?ここは記事タイトルの「差はある?」という問いに答える上で、構造的な背景として押さえておきたいポイントです。
日本CFO協会によれば、海外の先進企業ではCFOの傘下に独立したFP&A部門が確立されており、「分析、予測、計画の策定、業績報告を通じて経営や事業の意思決定プロセスに貢献する」という一貫した役割を担っています。
一方、日本企業では同じ機能が経営企画部門、社長室、経営管理部門、事業部の企画・管理部門など、複数の部署に分散して存在しているのが実情です。「経営企画」は戦略寄り、「経理」は過去数字の管理、「事業管理」は現場KPI…と、機能が分断されているのです。
また、日本CFO協会は、海外先進企業のFP&Aが「管理会計」「コーポレートファイナンス」「事業戦略」の三領域を統合した専門家によって担われているのに対し、日本企業では限られた実務経験をもとに属人的な手法で進められているケースが多い、と指摘しています。この「専門職として確立されているかどうか」の違いが、そのままキャリアパスの明確さや給与テーブルの高さ、ひいては年収差につながっているわけです。
実際、破綻を経験して外資人材が入って再生した日本の金融機関などでは、CFO傘下にFP&A組織が置かれ、逆に「経営企画部」がなくなるといった例もあります。組織の作り方そのものが、欧米とは異なる歴史的経緯を持っているんですね。

🗼日系企業のレンジも上がってきている?

以前は外資系にしかなかったポジションですが、最近は日本の企業もFP&Aというタイトルで募集をかけているのを多く見かけるようになりました。
ソフトバンク、資生堂、リクルート、富士通、などなど…
そして、コロナ禍以降、日系企業でも外資並の水準をオファーする会社が増えてきているように感じます。
各社の水準感(求人情報ベース)
公開求人や転職エージェントからの情報をもとに、代表的な日系企業のFP&A関連ポジションの水準感をまとめると、以下のようなイメージです(あくまで求人時点でのレンジであり、実際のオファー額は経験・スキルにより変動します)。
- ソフトバンク:スタッフ〜シニアクラスで700万円〜1,300万円、マネージャー以上で1,500万円超のオファーも。GAFA競合を意識した水準。
- リクルート:ミッショングレード制で、FP&A/経営企画クラスは900万円〜1,600万円のレンジが目安。
- メルカリ:グローバル水準を意識した給与テーブル。マネージャークラスで1,200万円〜1,800万円のレンジを提示することも。英語必須ポジションが多い。
- DeNA:新興企業らしくストックオプションを含めた総報酬が高め。マネージャーで1,200万円前後〜。
- 資生堂・富士通:伝統的大企業だが、グローバル化に伴いFP&A職を明確に切り出し、マネージャークラスで1,100万円〜1,500万円程度の求人が出るように。
「外資並の水準」という言い方をしましたが、より正確に言えば、マネージャークラス以上で1,200万円を超えるレンジが日系企業でも珍しくなくなったということです。数年前までは「日系=1,000万円が天井」というイメージがありましたが、明らかに変わってきています。
日系と外資の年収差が縮まっている背景
この変化には、いくつかの構造的な要因があります。
- 人的資本経営の推進:2023年3月期以降、上場企業に人的資本の情報開示が義務化され、専門人材への投資が経営指標として可視化されるようになりました。FP&Aのような高度専門職は、開示上も「投資している人材」として位置づけやすい。
- 賃上げ圧力とジョブ型雇用の浸透:岸田政権以降の継続的な賃上げ要請と、ジョブ型雇用の広がりにより、専門職に対して市場水準に沿った給与を提示する必要性が増しました。
- グローバル人材獲得競争:ソフトバンクやメルカリのように英語でグローバルにビジネスを展開する日本企業が、外資やGAFAと同じ人材プールから採用しようとすると、必然的にオファー水準を引き上げざるを得ません。
- PE/VCマネーの流入:投資ファンドがスポンサーを務める企業では、CFO傘下にFP&A組織を整備する動きが強く、ここも外資水準でのオファーを牽引しています。
また、大企業だけでなくメルカリやDeNAなどの急成長企業などでも、似たような水準のオファーを見るようになりました。 新興の企業では組織もまっさらな状態から構築していくため、創業時からFP&A的な組織を作っていると聞きます。 FP&Aの重要性を理解して早期から投資している会社が多いということですね。

🪶まとめ

今回はFP&Aの年収相場についてお話ししました。
ざっくりまとめると、
- 日系と外資では、同レベルのポジションで約200〜300万円(統計上は約270万円)の年収差がある
- ただし、日系企業でもソフトバンク・メルカリ・DeNAなど外資並みの水準を提示する会社が増えている
- 差の背景には、海外ではCFO傘下に独立したFP&A部門があるのに対し、日本では機能が経営企画・経理・事業管理などに分散しているという構造的な違いがある
FP&Aは給与レンジの割にはワークライフバランスもとりやすく、コスパの高い職種です。
気になっている方はぜひFP&Aへの転職を検討してみてください。
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