#001 外資系のFinancial Planning & Analysis (ファイナンシャルプランニング&アナリシス)が「最強の職種」である理由を説明します。
こんにちは、西崎俊と申します。 ニュースレター「FP&A Camp」では管理会計やFP&A(ファイナンシャルプランニング&アナリシス)の仕事について情報を発信しています。
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このサイトに訪問していただいたということは、FP&Aというキーワードを知って検索した方が多いのではないでしょうか。 もし「FP&Aについてもっと知りたい」とあなたが思っているなら、このブログは最適な場所です。
もしあなたがFP&Aについてまだ知らなかったなら、ぜひこの記事を読んで、覚えておいてほしいです。
特に、経理や営業事務などのバックオフィスの仕事をしていて、 「給与が上がらない」 「10年後のキャリアが描けない」 と思っている人には絶対に知ってほしい職種なんです。
これからAIやRPAなどITの高度化で、単純作業だけをする経理職・営業事務職はこれからどんどん仕事がなくなっていきます。
一方で、ビジネスの方向性を決めたり、付加価値のある分析を提供できるFP&Aは、今非常に需要が伸びている職種です。 今後も、経理からFP&Aへのシフトがますます進むでしょう。
タイトルに最強という強い言葉を使ってしまいました。すみません。 でも私はそれほど間違っていないと思っています。その理由を、以下で紹介します。
🤔そもそもFP&Aとは?
では、そもそもFP&Aとは何なのでしょうか? FP&Aは(Financial Planning & Analysis) (ファイナンシャルプランニング&アナリシス)の略称です。 日本CFO協会によると、 「分析、予測、計画の策定、業績報告といった業務を通じて、経営や事業の意思決定プロセスに貢献する」というのがFP&Aの主な業務とされています。
ちょっと抽象的すぎるでしょうか。 平たく言ってしまうと管理会計をやる部署なのですが、一般に日系企業でいう管理会計とも少し違っています。 単に予算管理や原価計算をするのではなく、もう少しビジネスに踏み込むイメージです。 日系企業では経営企画室がこの機能を持っていることも多いです。
実際の仕事をイメージするには、FP&Aの求人票を見てみるのが分かりやすいでしょう。
下記は、実際のある外資系企業のFP&A Analystの求人票です。
【FP&A 求人票】 業務内容 ・事業報告および財務分析による業績モニタリング。 ・地域の予算編成、予測、戦略的プランニングに参加する。 ・実績、予算、トレンドを分析し、各機能の事業経費を管理する。 ・コスト最適化の取り組みに参加 ・臨時のプロジェクト分析においてチームをサポートする。 ・グローバルプロジェクトの展開における現地の窓口となる。 求められるスキル ・経営学の大卒以上(会計/財務の専攻が望ましい) ・マトリックス構造を持つ多文化でグローバルな組織での業務に精通していること ・コミュニケーション能力が高く、経営陣および非財務部門の同僚と協働できる方 ・PCアプリケーション SAP、エクセル(Vlookup、PivotTable)に精通していること 待遇(年収) ・900万円〜1,100万円
色々難しそうなことが書いてありますが、とりあえずは、業績モニタリングはもちろんのこと、コスト最適化や全社プロジェクトへの参加など、付加価値の高い仕事が期待されている、ということを抑えておきましょう。
では、経理の典型的な求人と見比べてみましょう。
【経理 求人票】 業務内容 ・月次、四半期、年次決算業務(単体・連結) ・有価証券報告書等の外部報告資料作成業務法人税等の税務申告業務 ・月次,年次決算対応経理伝票処理請求書など書類作成 ・発送業務入金、決済管理 求められるスキル ・日商簿記検定2級以上をお持ちの方 ・PCスキル必須(Word/Excelなど) 待遇(年収) ・500万円〜700万円
経理業務の方はより具体的ですが、FP&Aの業務ってやっぱりちょっとふわっとしてますよね。 経理であればある程度業務が想像できるんですが、FP&Aの仕事はその会社で実際に働いてみないと実態がわからない、ということも多いです。 同じ会社でも、時期によって業務内容が変わってくることもあり得ます。 例えば、同じ会社であっても成長している時は 「どうやって売上を伸ばすか?」といった分析や、 「ヘッドカウント(人員)管理」 に多く時間をさくことになるでしょう。 一方、不況期にはコスト削減のための分析が重要なタスクになるはずです。 そのため、FP&Aは経験者でも、他社への転職の際には、よーく職務内容を確認してからでないと、入社してから「あれちょっと思ってたのと違うぞ」ということもよくあるくらいです。
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FP&Aの仕事は企業によって異なるが、基本は財務数値の分析
💪FP&Aの仕事が求められる理由
それではなぜ今、FP&Aの仕事が求められているのでしょうか? それは、「日本型組織の限界」が原因です。
現在、日本企業のファイナンス組織は「経営企画部」「経理・財務部」「事業部内の計数管理担当」に分かれて構成されていることが多いです。 このような組織で問題となっているのは、以下のような点です。 ・経営企画が建てた中長期経営計画が事業部に理解されない、行動指標まで落とし込めない ・会計データ、財務データを持っているのは経理・財務部だが、維持管理業務に忙殺されて分析業務にかける時間がない。 ・事業部内の計数管理担当は全体を把握することが難しく、全社での効果的な資源配分ができていない
日系企業で働いたことのある方なら、なんとなく身に覚えがあるのではないでしょうか。
こうした課題を解決するのが、それぞれの事業部のビジネスパートナーとして事業を深く理解し寄り添って課題解決に導く立場のFP&Aです。 FP&AはCFO組織に属し全体最適を考慮しながらも、各事業部長の右腕として、事業成長に貢献できる立場にあります。
このような組織制度を導入している企業はまだ多くはありませんが、資生堂、ソフトバンク、NECなどは以前からFP&Aというタイトルを使っています。 富士通も導入したとのニュースがありました。
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最近は日本のメディアでもFP&Aという単語をよく目にするようになりましたし、今後もこの流れは継続していくでしょう。 今、最も注目されている職種のひとつといえます。
🙌FP&Aの仕事の良いところ10選
それではさらにFP&Aの仕事の良いところさらに10個あげましょう。
1.給与水準が高く、20代で年収1,000万円に到達する可能性が十分ある
経理職よりも給与水準は200〜400万円ほど高いです。 特に外資系では20代で1,000万円に到達するケースも少なくありません。 バックオフィス系でこれほど給与水準が高い仕事はなかなかないです。
2.会計知識はもちろんのこと、ビジネスで一生使えるスキルが身に着く
FP&Aのベースは会計知識ですが、経営戦略やマーケティングの知識も活用します。 しかも机上の空論だけでなく実務で使う生きた知識なので、この先長い間あなたのことを助けてくれる経歴とスキルになるはずです。
3.普通は本社機能の仕事なので、転勤がない
通常、FP&Aの仕事は本社で行われるため、転勤の心配が少なく、生活の安定感があります。 ワークライフバランスも取りやすいことが多いです。 私の周りでも男女比率は半々くらいで、子育て世代の30代マネージャーも男女ともに普通にたくさんいます。
4.単純作業ではないのでAIやRPAによって代替されづらい
FP&Aは単純作業ではなく、高度な分析と意思決定が求められます。コンテキストを読んだデータ分析が必要だったり、部署間に入って調整役を引き受けることもあります。 AIやRPAによる自動化が難しく、人間による判断力と専門知識が必要です。 ちなみにこれらの議論でよく引用される[オックスフォード大学の論文](THE FUTURE OF EMPLOYMENT: HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO . COMPUTERISATION?)によれば、将来的に**経理や監査の仕事が94%なくなるのに対して、Financial Analystは23%**です。 23%もなくなるのか、という感想もあるかもしれませんが、これは全体で見るとかなり低い方で、営業の25%よりも低く、統計学者やコンピュータハードウェアエンジニアと同程度です。
将来的にAIによって仕事が代替される割合 Accountants and Auditors 経理・監査 94% Waiters and Waitresses ウェイター・ウェイトレス 94% ... Sales Representatives 営業 25% Financial Analysts 23% Computer Hardware Engineers コンピュータハードウェアエンジニア22% Statisticians 統計学者22%
5.簿記2級レベルの知識があれば十分活躍できる
FP&Aは会計関連職ではありますが、求められる会計知識についてはそこまで高度ではありません。 もちろん会計士ホルダーも多いですが、会計士でない人も多く活躍していますし、むしろ多数派です。 営業事務で営業部の数字をまとめたりしている人も、それが強みになってFP&A組織で活躍できる人が多いです。(私もそうでした。)
6.高付加価値なのでリストラの対象になりにくい
FP&Aは企業の戦略的な意思決定を支援し、財務健全性を維持する役割を果たします。 そのため、組織内で高い価値を持ち、リストラの対象になりにくいです。
7.経営層やマネジメントと一緒に仕事をするため、ビジネスの根幹に関われて面白みがある
FP&Aは予算策定や全社戦略の計画に参加します。 企業のビジョンと戦略に関与し、組織の中核的な部分で仕事ができるので、今の仕事が単調作業ばかりでつまらないという人にもピッタリです。
8.予算策定などの業務に携わるため、社内での発言力や政治力があり、営業や事業部と対等に話ができる
組織内で重要な役割を果たすので、社内では一目おかれる存在になります。 また、様々な部門と関わるため、幅広い知識が身につきますし、社内の情報通にもなりやすいです。
9.将来的にCFOに昇格するルートとしての可能性が高い
大抵の欧米企業では、FP&A経験のないCFOというのはまずいないそうです。 最近ではCFOからCEOになるケースも増えてきていますし、ファイナンスもビジネスもわかっている存在というのは非常に強いということがわかります。
10.実はあまり知られていない職種なので、転職市場にライバルが少ない
FP&Aという言葉は日本ではまだあまり知名度が高くありません。 ゆえに、FP&Aの仕事にとても向いているのに、存在を知らないがために就職の機会を逃してしまっている人がたくさんいます。 これは裏を返せば、転職市場において競争が少なく、自身のスキルを市場でアピールしやすいということでもあります。
いかがでしょうか?バックオフィスの仕事としては、 (攻)やりがいもあって給料も高く (守)転勤もなく、リストラもされにくい という攻守最強の職種だと思っています。
🌱あなたにとってFP&Aは素晴らしいキャリアパス
ここまでFP&Aの仕事を見てきていかがでしょうか? 「大変そう」「なんか複雑で難しそう」と思う方も多いでしょう。私もそうでした。
でも実際、そうなのです。FP&Aは複雑な思考を要する高度な仕事です。 だからこそ、給与水準も高いし、ITの高度化で無くならない仕事でもあります。
大丈夫です。意外となんとかなります。 むしろ、経理経験があるあなた、めちゃくちゃ求められてます!
FP&Aの仕事は本当に今人材不足で、私のところにも毎日のように年収1,000万円とか1,500万円のFP&Aの求人が送られてきます。
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FP&Aが人材不足の要因は ・実際に企業が求めるスキルが単純経理からFP&Aに変わりつつある ・FP&Aという職種があまり知られておらず、応募者が少ない ・経理経験者を求めているが、転職市場に人材がいないこと といった理由が挙げられます。
欧米では人気があったり、日本でもMBA取得者やポストコンサルの就職先としてはよく知られているんですが、意外と経理の人は知らないことが多いんですよね。なぜでしょうか…
もちろん、コンサル出身のFP&Aも多いんですが、FP&A業務のベースは財務会計知識です。私もコンサル出身のFP&Aを多く見てきましたが、仕訳を自分できれない人は、入ってから結構苦しむことも多いですよ。
経理や営業事務で真面目にコツコツとベースを作ってきたバックオフィスのビジネスパーソンこそ、FP&Aで活躍しやすいです。 戦略思考といっても、基礎は会社の財務・営業の数値です。数値がしっかり出せなければ、議論になりませんからね。 逆に言えば、数値分析さえ出してしまえばそれが最低限のアウトプットになるのが、FP&Aの仕事です。 思考をするといっても、全部自分で決めなければいけないということではありません。 FP&Aはあくまで意思決定の支援が仕事ですので、そんなに気難しく考えなくてもいいのです。
なので、今経理や営業事務をしているのにFP&Aの存在を知らない人はすごくもったいないです。
💡
FP&Aの仕事は経理にとって穴場の仕事。もし知らなかった人はぜひ調べてみて、自分にあっているか考えてみてみてください。
🌟まとめ
ということで初回の記事はFP&Aについてざっとご紹介しました。 私はFP&Aという職種を選んで本当に良かったと思っていますし、この記事を読んで少しでもFP&Aに興味を持ってくれるかたが一人でもいたら幸いです。
次回の記事では、FP&Aの仕事についてより詳しく解説します。
大きく分けると、以下の4つです。 (1)ビジネスパフォーマンスのモニタリング (2)予算(バジェット)と予測(フォーキャスト)の策定: (3)ビジネスモデルの評価と改善: (4)ERPやビジネスツールの導入、各種の業務推進プロジェクトへの参加
それでは次回の記事でお会いしましょう!
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おまけ
良いところ10選にあげるか迷った事項として、 ✔残業が少なくホワイトな職種である というのがあります。 これは正直、会社によります笑 もちろんどんな職種でも働きやすさや残業の多さというのは幅があります。FP&Aもそうです。なので一概には言えないのですが、私の経験則でいうと、「ゆるゆるというわけではないが、給与に対するコスパという単位でみると圧倒的に良い」ということです。
これは、また別の記事で話したいと思います。 また、ホワイトな職場を選ぶコツも記事にしていきたいと思いますので、お楽しみに!
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